
VPNって便利そうだけど、使うのは違法じゃないの?海外旅行先でVPNを使いたいけど、国によっては規制があるって本当?
インターネットの安全性を高めたり、海外のコンテンツを楽しんだりするのに役立つVPN。
利用者が増える一方で、その合法性について疑問や不安を持つ方も少なくありません。
結論として、日本国内でのVPN利用は完全に合法です。
しかし、一歩国外に出ると状況は異なり、VPNの利用が法律で禁止・厳しく制限されている国も存在します。
この記事を読めば、以下の点が明確になります。
- VPNが合法な国、違法な国、規制がある国の最新リストとその理由
- VPN利用のリスクと、避けるべき危険な使い方
- VPNがブロックされる仕組みと、回避策
- 初心者でも分かる、安全なVPNサービスの選び方のポイント
この記事は、VPNの違法性や、使うとNGな国を知りたい方の疑問に、VPN利用歴7年の専門家である私が、網羅的かつ分かりやすくお答えします。



安心してVPNを活用するために、ぜひ最後までお読みください。
そもそもVPNとは?基本的な仕組みとメリット


VPNは「Virtual Private Network」の略称で、日本語では「仮想専用線」と訳されます。
インターネット上に仮想的な専用トンネルを作り、通信内容を暗号化することで、安全なデータ送受信を実現する技術です。
VPNがどのように通信を保護するのか、なぜ必要なのか、利用するメリットとデメリットを解説します。



2018年から7年間VPNを利用してきた経験から、VPNの基本は非常に重要だと感じています。
VPNで通信が安全になる仕組みを図解
VPNを利用すると、あなたのデバイスとVPNサーバーとの間に、暗号化された仮想的なトンネルが作られます。
「暗号化」とは、データを第三者には読み取れない形式に変換する技術です。
このトンネルを通るデータはすべて暗号化されるため、万が一通信途中でデータを傍受されても、内容を解読される心配がありません。


上の図のように、公衆Wi-Fiのような安全性の低いネットワークを利用する場合でも、VPNトンネルを経由することで、まるで自分専用の安全な回線を使っているかのように通信できます。



あなたの本当のIPアドレスも隠され、代わりにVPNサーバーのIPアドレスが表示されるため、匿名性も高まるのです。
なぜVPNが必要?主な利用目的
現代のインターネット利用において、VPNの必要性はますます高まっています。
主な利用目的は大きく分けて3つ考えられます。
1つ目は、セキュリティの強化です。
特にカフェや空港などで提供されるフリーWi-Fiは、通信が暗号化されていない場合が多く、悪意のある第三者によるデータの盗み見や改ざんのリスクがあります。
VPNを使えば、このような環境でも安全にインターネットを利用できるようになります。
2つ目は、プライバシーの保護です。
インターネットサービスプロバイダー(ISP)やウェブサイトは、利用者のIPアドレスや閲覧履歴を記録している場合があります。
VPNはIPアドレスを隠し、通信を暗号化するため、オンライン上での行動追跡を防ぎ、プライバシーを守るのに役立ちます。
3つ目は、地域制限(ジオブロック)の回避です。
「ジオブロック」とは、特定の国や地域からしかコンテンツにアクセスできないようにする技術的な制限のことです。
動画配信サービスやウェブサイトの中には、ジオブロックが設定されているものがあります。
VPNを使って海外のサーバーに接続すれば、あたかもその国にいるかのようにアクセスでき、日本からは見られないコンテンツを楽しめるようになるでしょう。
VPNを利用するメリット・デメリットまとめ
VPNには多くのメリットがありますが、いくつか注意すべき点も存在します。
以下に主なメリットとデメリットをまとめました。
項目 | 内容 |
---|---|
メリット | 公衆Wi-Fiなどでの通信セキュリティ向上。 IPアドレスの秘匿によるプライバシー保護。 地域制限のあるコンテンツへのアクセス。 オンライン検閲の回避(一部の国)。 |
デメリット | 通信速度が低下する可能性がある。 信頼できるサービスは有料の場合が多い。 一部のウェブサイトやサービスでVPN接続がブロックされる場合がある。 設定や操作に慣れが必要な場合がある。 |
メリットは非常に大きいですが、特に通信速度の低下はVPNの仕組み上、避けられない側面もあります。
ただし、高品質なVPNサービスを選べば、速度低下は最小限に抑えられます。



デメリットも理解した上で、ご自身の目的に合ったVPN活用を検討することが大切です。
日本や欧米などはVPN利用が合法


日本や欧米諸国などでは、VPN利用は合法です。
VPN利用が合法となっている主な国をピックアップしました。
- 日本
- アメリカ
- イギリス
- ドイツ
- オーストラリア
- カナダ
- フランス
- インドネシア
- フィリピン
- サウジアラビア
上記のほか、多くの国でVPNは合法とされています。
VPNでジオブロックを回避して海外の動画配信サービスを見たり、WEBサイトを閲覧することも合法です。
おすすめVPNサービス11選については、下記記事でご紹介しているのでご覧ください。
>> VPNおすすめ11選!失敗しない選び方、無料と有料の違いも解説!
一方で、世界に目を向けるとVPNを利用すること自体が違法行為となる国もあります。
見ていきましょう。



旅行や仕事、留学などで海外からVPNを使う予定がある人は注意しましょう。
VPNの利用が違法、利用できない国


VPN利用ができない国、6カ国を紹介します。
違法か合法かは国の法律や情勢によるため、突然変更されることもあり得ます。利用前には、滞在国のルールを必ず確認しましょう。



この6カ国でVPN接続をおこなうと、罰則の有無に関わらず違法となるため注意です。
①ロシア
ロシアでは2017年からVPN接続が違法になりました。
国外からの情報流入の阻止が主な目的とされており、情報統制のための規制です。実際、2022年以降も厳しくVPNサービスが取り締まられています。
海外のメディアでも下記のように報じられています。
原文「In September 2022, several of the most widely used VPN services, including ExpressVPN, were officially blocked.」
出典:bneINTELLINEWS
日本語訳「ロシアでは、2022年9月に、ExpressVPN を含むVPN サービスのいくつかが正式にブロックされました。」
ロシアではVPNを利用しないようにしましょう。
②イラク
イラクでは、インターネット検閲をおこなっており、特定のアプリやウェブサイトをブロックしています。
特に、ISISの活動がインターネット上で活発になることを防ぐため、VPN利用は固く禁じられました。VPN利用者は逮捕されるため、利用しないようにしましょう。
VPNを利用することで、ブロックされている情報にアクセスできるようになるため違法というわけです。
③北朝鮮
北朝鮮では国限定のイントラネット(内部ネットワーク)のみの接続に限られています。
一般的なインターネットを利用できるのは、政府関係者の中でも限られた位置にある人だけという閉鎖的な環境です。
VPNを利用していることがわかると、実刑に問われる場合もあるため注意してください。
④ベラルーシ
2015年以降、VPNとTor(匿名化を実現させるソフトウェア)の利用が違法となっています。
独裁政権に対する言動規制のため、政府の監視が届く範囲のみのインターネットしか使えません。
⑤オマーン
会社や指定機関・組織などのライセンスを持たない個人がVPNを利用することは違法です。
VPNどころか、SSLを使用するウェブサイトも違法で、インターネット検閲もおこなっているので注意しましょう。
⑥トルクメニスタン
情報統制がおこなわれ、閉鎖的な国家であるトルクメニスタンでのVPN利用は違法とされています。
インターネット検閲と制限が厳しく、罰則もあるためVPNは使えません。
VPN利用に規制がある国


続いて、合法であるものの、VPN利用に規制がある国を8つご紹介します。
違法ではないものの、中国やインドなどでは利用に制限がかかっているので実際に使う場合は不自由さを感じる人も多いです。
1つずつ、ご紹介していきますね。
①中国
中国では、アクセス制限されているSNSがあることをご存知の人も多いと思います。
VPNも同様で、政府が許可したもののみ利用可能となり違反者は罰金を課せられますが、個人で使用する分には黙認されているのが現状です。
中国から利用できるVPNについては、下記記事にてご紹介しているのでチェックしてみてくださいね。





中国はInstagramやTwitter、Facebookなんかも使えません。使えるのは中国の検閲を行っているSNSだけです。
②トルコ
トルコは世界でもSNS規制が厳しい国の1つです。
TwitterやFacebook、YouTubeなど多数のサービスへのアクセスはできません。
それにより、特定のVPNもブロックされておりVPN利用自体は違法になりませんが、事実上はあまり使えない状況です。
③イラン
プロバイダはすべて政府への情報開示が義務付けられているイランは、政府が承認したVPN利用のみ合法とされています。
ユーザーの検閲や監視をされる可能性があるので注意しましょう。
④ウガンダ
2018年にソーシャルメディア税が導入されたウガンダでは、税金回避のためにVPN接続をおこなう国民が急増しました。
そのため政府がVPN接続をブロックしている状況です。
VPN利用自体は違法になりませんが、事実上はかなり制限があります。
⑤アラブ首長国連邦(UAE)
アラブ首長国連邦では犯罪に使用されなければVPN利用は合法です。
ただし、アラブ首長国連邦における犯罪には、ギャンブルやポルノなどの閲覧禁止コンテンツの視聴も含まれる場合があるので注意が必要です。
最悪の場合は罰金刑となる可能性もあります。
⑥インド
インドのVPN利用は合法ですが、政府はインターネットの暗号化技術を問題視しています。
そのため、個別に検閲・監視をおこなっているようです。
現状は罰則があるわけではありませんが、利用には注意しましょう。
⑦エジプト
エジプトではVPNの使用自体は違法ではありませんが、不道徳とされるコンテンツやアプリをブロックしています。
ブロックされたウェブサイトにVPNを使ってアクセスしようとすると、罰金や刑罰を科される可能性があるため注意が必要です。



不道徳とされるコンテンツやアプリにはZoomをはじめとするVolpアプリやビデオ通話も含まれます。
⑧シリア
シリアのVPN利用について明確な罰則はありません。
しかし、政府によるインターネットの検閲が厳しく一部のVPNをブロックしています。
なぜ国によってVPN規制の厳しさが違うのか?


VPNの利用が一部の国で厳しく制限されたり、禁止されたりしているのには、いくつかの理由があります。
単に「インターネット利用を不便にするため」ではなく、それぞれの国の政治的、社会的、経済的な背景が絡んでいます。
ここでは、VPN規制が行われる主な理由を掘り下げていきましょう。
①:政府による情報統制・検閲のため
最も一般的な理由の一つが、政府による情報統制や検閲の維持です。
特定の国々では、政府が国民のアクセスできる情報や意見を厳しく管理しています。
政府に批判的なウェブサイト、海外のニュースメディア、特定のSNSなどへのアクセスを制限し、国内の世論をコントロールしようと試みます。
VPNは、このような情報規制を回避する強力な手段となるため、政府はVPNサービス自体の利用を禁止したり、政府が管理できる範囲のVPNのみを許可したりするのです。
②:国の安全保障やテロ対策のため
VPNが持つ匿名性は、残念ながら犯罪者やテロ組織にとっても魅力的な特徴です。
彼らがVPNを悪用して連絡を取り合ったり、サイバー攻撃を仕掛けたりすることを防ぐ目的で、VPNの利用に制限をかける国もあります。
特に、国内情勢が不安定な国や、テロの脅威に直面している国では、安全保障上の懸念からVPN規制が強化される傾向が見られます。
③:特定のコンテンツ(ギャンブル・ポルノ等)へのアクセス制限のため
国の法律や、宗教的・文化的な価値観に基づいて、特定の種類のコンテンツへのアクセスを国民に対して禁止している場合があります。
例えば、オンラインギャンブル、ポルノコンテンツ、あるいは特定の宗教や思想に関する情報などが対象です。
VPNを使えばこれらの制限も回避できてしまうため、国民を「不適切」とされる情報から守るという名目のもと、VPNの利用が制限されることがあります。
④:税金逃れ対策のため(ウガンダの例など)
少し変わった理由としては、税金逃れを防ぐ目的でVPNが規制されるケースもあります。
アフリカのウガンダでは過去に、SNSの利用に対して税金を課す「ソーシャルメディア税」が導入されました。
多くの国民がこの税金の支払いを避けるためにVPNを利用し始めたため、政府は税収確保の観点から、VPNサービスへのアクセスをブロックする措置を取りました。



経済的な理由がVPN規制につながった珍しい例と言えるでしょう。
VPN利用に潜むリスクと注意点
VPNはインターネット通信の安全性を高める強力なツールですが、万能ではありません。
特にVPNサービスの選び方や使い方によっては、予期せぬリスクに遭遇する可能性があります。
7年間のVPN利用経験の中でも、特に注意が必要だと感じている点をいくつかご紹介します。
安全にVPNを活用するためにも、潜んでいるリスクと注意点をしっかり理解しておきましょう。
①:無料VPNに潜む危険性(情報漏洩、マルウェア感染、速度制限など)
「無料」という言葉は魅力的ですが、VPNサービスに関しては無料VPNの利用には大きな危険が伴うことを認識してください。
無料VPNの多くは、運営コストを賄うために、利用者の閲覧履歴や個人情報を収集し、広告業者などに販売しているケースがあります。
セキュリティ対策が不十分で情報漏洩のリスクが高いだけでなく、アプリ自体に悪意のあるソフトウェア(マルウェア:「Malware」とは、コンピューターウイルスなど悪意のあるソフトウェアの総称です)が仕込まれている可能性も否定できません。
性能面でも、無料VPNはサーバー数が少なく通信速度が極端に遅かったり、利用できるデータ量に厳しい制限があったりすることがほとんどです。



セキュリティやプライバシーを重視するならば、安易に無料VPNに手を出すべきではないでしょう。
②:VPNを使っていても完全に匿名ではない?(ログポリシーの重要性)
VPNは利用者のIPアドレス(インターネット上の住所にあたる識別番号)を隠しますが、「VPNを使えば完全に匿名になれる」と考えるのは誤りです。
なぜなら、VPNサービスを提供している会社(プロバイダー)が、利用者の通信記録、すなわち「ログ」を保存している可能性があるからです。
「ログ」とは、コンピューターシステムやネットワーク上での活動履歴の記録を指します。
VPNにおけるログには、いつ、誰が、どのサーバーに接続したかを示す「接続ログ」や、どのウェブサイトを閲覧したかなどの活動内容を示す「アクティビティログ(利用ログ)」などがあります。
もしVPNプロバイダーがログを保持している場合、法執行機関からの要請などがあれば、利用者の情報が提供される可能性があります。
結果として、VPNを使っていても身元が特定されるリスクが残るのです。
したがって、VPNを選ぶ際には、プロバイダーがどのようなログをどのくらいの期間保持するのか、あるいは全く保持しないのかという「ログポリシー」を確認することが極めて重要になります。
③:ノーログポリシーとは?信頼できるVPNの証
プライバシー保護を最重要視するなら、「ノーログポリシー」を掲げているVPNサービスを選ぶべきです。
「ノーログポリシー(No-Log Policy)」とは、VPNプロバイダーが利用者の接続ログやアクティビティログといった、個人を特定できる可能性のある情報を一切記録・保存しないという方針を指します。
真のノーログポリシーを実践しているVPNサービスを利用すれば、万が一プロバイダーが政府機関などから情報開示を求められても、提供すべきログが存在しないため、利用者の匿名性が高く保たれます。
例えば、NordVPNは第三者機関がノーログ監査をしており、定期的にチェックを受けることで、真のノーログポリシーを実践していることが証明されているVPNです。
より信頼性の高いノーログポリシーの証として、外部の独立した監査機関によってポリシーの遵守状況が検証されているかどうかも、選定の際の重要な判断材料となるでしょう。
④:VPN接続による速度低下の可能性
VPNを利用する際の注意点として、インターネットの通信速度が低下する可能性があることも挙げられます。
VPN接続では、データがVPNサーバーを経由し、そこで暗号化・復号といった処理が行われます。
通常のインターネット接続に比べて通信経路が長くなり、処理も加わるため、どうしても速度に影響が出やすいのです。
速度低下の度合いは、利用するVPNサービスの品質、接続するサーバーの物理的な距離や混雑状況、元のインターネット回線の速度など、様々な要因によって変化します。
一般的に、サーバー数が多く、高性能なインフラを持つ有料VPNサービスでは、速度低下が比較的小さく抑えられていることが多いです。



動画視聴やオンラインゲームなど、速度が重要な用途でVPNを利用する場合は、速度に関する評判も確認すると良いでしょう。
高速なVPNは下記記事でご紹介しているのでご覧ください。c


VPN規制・ブロックを回避する方法はある?


特定の国やネットワーク環境では、VPN接続が意図的にブロックされ、利用できない場合があります。
しかし、いくつかの技術的な対策を試すことで、VPNのブロックを回避できる可能性があります。ここでは、その具体的な方法をいくつかご紹介します。
ただし、これらの方法はVPNの利用が合法な国・状況での利用を前提としており、VPN利用自体が法律で禁止されている国での利用を推奨するものでは決してありません。
違法な国でのVPN利用は絶対におやめください。
なぜVPN接続がブロックされてしまうのか? (IPアドレス、ポート、DPIなど)
VPN接続がブロックされる背景には、いくつかの技術的な理由が存在します。
最も一般的なのは、VPNサーバーが使用しているIPアドレスが特定され、ブラックリストに登録されてしまうケースです。
多くのユーザーが同じサーバー(IPアドレス)を共有するため、アクセス元がVPNだと識別されやすくなります。
また、VPN通信でよく使われる特定の「ポート」番号(通信の出入り口となる番号。通信の種類ごとに特定のポート番号が割り当てられることが多い)がネットワーク管理者によって遮断されている場合もあります。
より高度な手法として、DPI(Deep Packet Inspection)という技術が用いられることもあります。
「DPI」はネットワークを流れるデータ(パケット)の中身を詳細に検査する技術で、VPN通信特有のパターンを検知し、接続をブロックすることが可能です。



これらのブロック手法を理解することが、回避策を考える第一歩となります。
信頼性の高い有料VPNサービスを選ぶ(無料VPNとの違いを明確に)
VPNブロックを回避するための大前提として、信頼できる高品質な有料VPNサービスを選ぶことが非常に重要です。
前述した通り、無料VPNはサーバー数が限られており、IPアドレスがブロックされやすい傾向にあります。
ブロック回避のための高度な機能(後述する難読化など)も提供されていないことがほとんどです。
一方、評判の良い有料VPNサービスは、世界中に多数のサーバーを保有しており、ブロックされた場合の代替サーバーを見つけやすいです。
ブロック回避技術の開発にも投資しており、難読化機能や多様なプロトコル選択肢を提供している場合が多いでしょう。



安定した接続とサポート体制を考慮しても、有料VPNが賢明な選択と言えます。
接続サーバーを変更する(サーバー数が多いVPNが有利)
VPN接続がうまくいかない場合に、まず試すべき最も簡単な方法は接続するVPNサーバーを変更することです。
別のサーバーに接続すれば、通常は異なるIPアドレスが割り当てられます。
もし現在接続しようとしているサーバーのIPアドレスがブロックされているだけなら、サーバーを変更するだけで問題が解決する可能性があります。
この点からも、提供されているサーバー数が多いVPNサービスは有利です。
選択肢が多いほど、ブロックされていないサーバーを見つけられる確率が高まります。



同じ国内の別都市のサーバーや、近隣国のサーバーなど、いくつか試してみると良いでしょう。
難読化サーバー(Obfuscated Server)機能を利用する
より強力なブロック回避策として、「難読化(Obfuscation)」機能の利用が挙げられます。
「難読化」とは、VPN通信のデータの特徴を隠蔽し、通常のHTTPS通信(一般的なウェブサイト閲覧時の暗号化通信)のように見せかける技術です。
これにより、DPIなどの検閲システムによるVPN通信の検出を困難にします。
特に中国のようにインターネット検閲が厳しい国や地域でVPNを利用したい場合に、難読化機能は有効な手段となり得ます。
ただし、この機能は全てのVPNサービスに搭載されているわけではありません。



VPNを選ぶ際に、難読化機能(Stealth VPN、Camouflage Modeなどと呼ばれることもあります)の有無を確認することが重要です。
セキュリティプロトコルを変更する (WireGuard, OpenVPN TCP/UDP, IKEv2など)
VPN接続に使用する「セキュリティプロトコル」を変更することも、ブロック回避に繋がる場合があります。
「プロトコル」はVPN(仮想プライベートネットワーク)において、コンピューター同士が通信を行う際に守る規約です。
暗号化技術や認証方法などの違いによって、速度やセキュリティレベルが異なります。
代表的なプロトコルにはWireGuard、OpenVPN(TCP/UDP)、IKEv2などがあり、それぞれ通信特性や使用するポートが異なります。
特定のプロトコルがブロックされている場合でも、別のプロトコルに変更することで接続できる可能性があります。
例えば、OpenVPNのTCPモードは、UDPモードよりも検閲されにくいと言われることがあります。
また、比較的新しいWireGuardプロトコルも、高速かつブロックされにくい特徴を持つ場合があります。



VPNアプリの設定画面で、利用可能なプロトコルを切り替えて試してみてください。
接続ポートを変更する (ポート443など HTTPSと同じポート)
VPN通信が特定の「ポート」番号でブロックされている場合、使用するポートを変更することで接続が可能になることがあります。
多くのVPNサービスでは、プロトコルの設定と連動して、使用するポートを選択・変更できる場合があります。
特に効果的なのが、ポート443を使用することです。
ポート443は、ウェブサイトの安全な接続(HTTPS)で標準的に使われているため、ネットワーク管理者が安易にブロックしにくいポート番号です。



OpenVPNのTCPモードなどでポート443を指定できる設定があれば、試してみる価値があるでしょう。
専用IPアドレスを利用する(オプションの場合が多い)
通常のVPN接続では、複数のユーザーで同じIPアドレスを共有します。
誰か一人が原因でIPアドレスがブロックされると、他のユーザーも影響を受けてしまいます。
このリスクを避ける方法として、「専用IPアドレス(Dedicated IP Address)」を利用する選択肢があります。「専用IPアドレス」とは、他のユーザーと共有せず、契約者だけが使用できる固定のIPアドレスのことです。
自分専用のIPアドレスであれば、他のユーザーの影響でブロックされる心配がありません。
ただし、専用IPアドレスは匿名性の観点からは共有IPに劣る側面もあり、多くのVPNサービスでは追加料金が必要な有料オプションとして提供されています。
モバイルデータ通信を試す(Wi-Fi環境での規制の場合)
VPN接続の問題が、特定のWi-Fiネットワーク環境(例えば、職場、学校、特定の公共Wi-Fiなど)でのみ発生している場合、スマートフォンのモバイルデータ通信に切り替えることで解決する可能性があります。
ネットワーク固有の制限であれば、モバイルデータ通信網ではVPNが利用できる場合があるのです。
スマートフォンのテザリング機能を使ってPCなどを接続することも可能です。
ただし、この方法は国全体でVPNが規制されている場合には効果がありません。



モバイルデータ通信の利用は、契約プランによってはデータ通信量の上限や追加料金が発生する可能性がある点にも注意が必要です。
安全で快適なVPNサービスの選び方【5つのポイント】


世の中には数多くのVPNサービスが存在し、どれを選べば良いか迷ってしまうかもしれません。
VPN利用歴7年の経験から言えるのは、サービスによって品質や安全性は大きく異なるため、適切なVPN選びが非常に重要だということです。
ここでは、安全かつ快適にVPNを利用するために、最低限チェックしておきたい5つのポイントを解説します。
1. 強力なセキュリティ機能(暗号化方式、キルスイッチなど)
VPNを選ぶ上で最も重要なのが、セキュリティ機能の堅牢さです。
まず、通信データの暗号化方式を確認しましょう。
現在、「AES-256」という暗号化方式(データを暗号化するための計算手順の一つ)が軍事レベル・政府標準とも言われ、非常に強力で信頼性が高いとされています。
この方式を採用しているかを確認するのが良いでしょう。
次に、万が一VPN接続が突然切れてしまった場合に、デバイスのインターネット接続自体を自動で遮断してくれる「キルスイッチ」機能の有無も重要です。
「キルスイッチ」は、意図せず暗号化されていない状態で通信してしまうリスクを防ぎ、IPアドレスなどの情報漏洩を防止します。
加えて、DNSクエリ(ウェブサイト名をIPアドレスに変換する問い合わせ)がVPNトンネル外に漏れてしまう「DNSリーク」を防ぐ対策が施されているかも確認ポイントです。



「DNSリーク」が発生すると、VPNを使っていてもアクセス先の情報などが漏れる可能性があります。
2. 信頼できるノーログポリシー
プライバシー保護を重視するなら、信頼できる「ノーログポリシー」を掲げているVPNサービスを選ぶことが不可欠です。
先ほども触れましたが、ノーログポリシーとは利用者のオンライン活動に関する記録を一切保持しないという方針です。
VPNサービスのウェブサイトでポリシーの内容をしっかり確認し、「接続ログ」「アクティビティログ」のどちらも保存しないことを明記しているか確かめてください。
さらに信頼性を高める指標として、そのノーログポリシーが第三者機関による監査を受けているかどうかも重要です。
「第三者機関による監査」とは、外部の独立した専門機関が、プロバイダーの主張通りにログが保存されていないかを客観的に検証することです。



監査を受けているサービスは、プライバシー保護への取り組みが真剣である証左と言えます。
3. 豊富なサーバー設置国とサーバー数
利用したい目的に合わせて、十分な数のサーバーが世界各地に設置されているかを確認しましょう。
例えば、特定の国の地域制限コンテンツにアクセスしたい場合は、その国にサーバーが設置されている必要があります。
サーバー設置国が多ければ多いほど、様々な国のコンテンツにアクセスできる可能性が広がります。
単に設置国だけでなく、サーバーの総数も重要です。
サーバー数が多ければ、一つのサーバーに利用者が集中して混雑するのを避けやすくなり、より安定した接続速度が期待できます。
自宅から物理的に近い場所にサーバーがあれば、通信の遅延を減らす効果もあります。



選択肢の多さは、快適なVPN利用に直結します。
4. 十分な通信速度
VPNを経由すると通信速度が低下する可能性があるため、実用に耐えうる十分な速度が出るかも重要な選定基準です。
特に高画質の動画ストリーミング、オンラインゲーム、大容量ファイルの送受信などを頻繁に行う場合は、速度が遅いと大きなストレスになります。
VPNサービス各社は「高速」を謳っていますが、実際の速度は利用環境にも左右されます。
多くのVPNレビューサイトで速度テストの結果が公開されていますし、無料お試し期間や返金保証を利用して、実際に自分の環境で速度を試してみるのが最も確実です。



比較的新しい「WireGuard」などの高速プロトコルに対応しているかも、速度を判断する一つの材料になるでしょう。
5. 使いやすさと日本語サポート
特にVPN初心者の方にとっては、サービスの使いやすさも重要なポイントです。
専用アプリのインストールや設定が簡単か、インターフェースが直感的で分かりやすいか、パソコンだけでなくスマートフォンやタブレットなど、利用したいデバイスに対応しているかなどを確認しましょう。
万が一、接続トラブルなどが発生した場合に備えて、日本語でのサポート体制が整っているかも確認しておくと安心です。
公式ウェブサイトやFAQが日本語で提供されているか、問い合わせに対して日本語で対応してくれるか(メール、チャット、電話など)は、いざという時の助けになります。



海外のサービスでも日本語サポートを提供しているところは増えています。
安全で快適に使えるおすすめVPNサービス3選


安全で快適に使えるおすすめVPNサービスを3つご紹介します。
- 🥇1位NordVPN:業界No.1。速度と安定性が高い◎
- 🥈2位ExpressVPN:スピードNo.1。速度重視の方向け。
- 🥇3位MillenVPN:国産No.1。動画配信に強い。
上記の3つですね。
それぞれ、VPNの特徴などを解説していきます。
①:NordVPN


サービス名 | NordVPN |
---|---|
運営会社 | Tefincom S.A. |
料金 | 1ヶ月プラン:1,790円/月 1年間プラン:690円/月 2年間プラン:430円/月 |
サーバー数 | 7,384台(118カ国) |
セキュリティ | ◎(AES-256) |
プライバシー | ◎(ノーログポリシー) |
通信スピード | 超高速 |
対応デバイス | スマホ(iPhone/Android) パソコン(Windows/Mac/Linux/Edge) TV・ブラウザ(FireTV/AppleTV/Chrome) ゲーム・ルーター(プレステ/ルーター) |
対応プロトコル | OpenVPN/NordLynx/IKEv2・IPSec |
その他機能 | メッシュネットワーク、SmartDNSなど |
同時接続台数 | 10台 |
返金保証 | 30日間返金保証 |
公式サイト | NordVPN公式サイト |
- 最終更新日: 2025年4月5日 - VPNの料金、サーバー数、機能等は定期的に変更されるため、情報は常に変動します。ご契約前には、必ず各VPNの公式サイトにて最新の情報をご確認ください。
- 料金はキャンペーンや為替レートによっても変動します。
- 通信スピードは目安であり、実際の速度は利用環境により異なります。
1番目におすすめのVPNは、NordVPNです。
全世界1,500万ユーザーが使っている、業界No.1のVPNサービスになります。
NordVPNの特徴は、下記のような感じですね。
- 通信速度が速くてサクサク使える
- PC/スマホ/ルーター/ゲームに対応
- 世界118ヵ国、7,300台のサーバー数
- セキュリティが最高水準の「AES-256」
- 2年プランが月430円で使えてコスパ◎



高品質なのに、お手頃な値段で使えるVPNです。
NordVPNに接続して、通信スピードを計測してみたところ、爆速でした。
- ダウンロード:225.05Mbps
- アップロード:65.87Mbps


高画質な動画を見るのに必要なダウンロード速度が「5〜10Mbps」と言われているので、どれだけ高速か一目で分かりますよね。
NordVPNは、2年プランだと料金73%OFFになります。コスパ最強のVPNです。
詳しくは、公式サイトをご覧ください。
\料金73%OFF+3か月無料キャンペーン中/
※全世界1,500万ユーザーの業界No.1
※30日間の返金保証あり
NordVPNの評判や口コミについては、下記の記事でまとめています。


②:ExpressVPN


サービス名 | ExpressVPN |
---|---|
運営会社 | Express VPN International Ltd. |
料金 | 1ヶ月プラン:1,885円/月 12ヶ月プラン971円/月 2年間プラン:726円/月 |
サーバー数 | 3,000(105ヵ国)以上 |
セキュリティ | 世界最高(AES-256) |
プライバシー | ◎(ノーログ) |
通信スピード | 超高速 |
対応デバイス | iPhone/iPad/Android/Windows/mac/LINUX/ルーター/スマートテレビ/ゲーム端末 |
同時接続台数 | 8台 |
返金保証 | 30日間返金保証 |
公式サイト | ExpressVPN公式HP |
- 最終更新日: 2025年4月5日 - VPNの料金、サーバー数、機能等は定期的に変更されるため、情報は常に変動します。ご契約前には、必ず各VPNの公式サイトにて最新の情報をご確認ください。
- ※上記金額は、1ドル=145.53の為替レート(2025年4月5日現在)で計算しています。ご注意ください。
- 料金はキャンペーンによっても変動します。
- 通信スピードは目安であり、実際の速度は利用環境により異なります。
2番目におすすめのVPNは、ExpressVPNです。
通信スピードの速さと安定性に定評があります。
動画コンテンツもサクサク見れるので、ストレスフリーです。
動画視聴やオンラインゲーム、大量のデータアクセスなどのヘビーユースにもストレスなく使えるので、爆速でネットを使い方向けのVPNです。
他のVPNと比べて少し料金は高めですが、その分だけ、サクサクな高速通信が手に入ります。
今まで長期プランは「1年プラン」のみでしたが、「2年プラン」ができました。
2年プランだと、月786円ほどで使うことができるので、比較的安く使えますよ。
詳しくは、公式サイトをご覧ください。
\料金61%OFF+4ヶ月無料キャンペーン中/
※通信スピードNo.1の最速VPN
※30日間の返金保証あり
ExpressVPNの評判や口コミについては、下記の記事でまとめています。


③:MillenVPN


サービス名 | MillenVPN |
---|---|
運営会社 | アズポケット株式会社 |
料金 | 1ヶ月プラン:1,738円/月 1年間プラン:594円/月 2年間プラン:396円/月 |
サーバー数 | 2,000台(106カ国) |
セキュリティ | ◎(AES-256) |
プライバシー | ◎(ノーログポリシー) |
通信スピード | 高速 |
対応デバイス | Windows/Mac/Android /iOS/FireTV/Fireタブレット |
同時接続台数 | 無制限 |
返金保証 | 30日間返金保証 |
公式サイト | MillenVPN公式サイト |
- 最終更新日: 2025年4月5日 - VPNの料金、サーバー数、機能等は定期的に変更されるため、情報は常に変動します。ご契約前には、必ず各VPNの公式サイトにて最新の情報をご確認ください。
- 料金はキャンペーンや為替レートによっても変動します。
- 通信スピードは目安であり、実際の速度は利用環境により異なります。
MillenVPNは、日本のアズポケット株式会社が運営する国産VPNサービスです。
日本の法律に即して運営されていて、日本語でサポートを受けられるので、とても使いやすく安心なVPNといえます。
MillenVPNのメリット・デメリットは、下記です。
海外の日本人からニーズの高い、動画配信サービスのジオブロック解除に強いのが特徴です。


同時接続数が「無制限」なので、複数のデバイスで同時にMillenVPNを使えます。
また、中国からの接続可能です。
無料オプションサービスの「MillenVPN Native OpenConnect」を使えば、中国からも日本のサーバーに接続できます。



国産VPNなのに価格は月396円〜と非常に低価格なので、お財布にも優しいです。
詳しくは、公式サイトをご覧ください。
\30日間の返金保証あり/
※月396円から使える国内No.1VPN
※同時接続台数、データ通信無制限
MillenVPNの評判や口コミについては、下記の記事でまとめています。


VPNでやってはいけないこと、注意点


VPN利用は合法でも、不正や違法行為をおこなってはいけません。
日本やアメリカなどで、VPNが合法の国だからといって何をしてもいいわけではないです。
場合によっては罰金や収監されることもあるので注意しましょう。
よくある不正行為・違法行為は下記です。
- 違法なファイルや動画のダウンロード
- ハッキングやストーカー行為、サイバーいじめ
- ダークウェブでの売買
個人利用なんだから著作権は関係ないと、海賊版のダウンロードをすることも違法行為なので、公式コンテンツから楽しみましょう。
VPNは匿名性がありますが、悪質な犯罪に手を染めることがないようにしましょう。
VPNがログを保持していれば逮捕されることになりますし、犯罪行為はそもそもNGです。



ダークウェブに入り、闇市場で売買をおこなうことも犯罪行為です!VPNを利用していなくても違法となる行為なので、気をつけましょう!
VPNの違法性についてよくある質問


最後に、VPNの違法性についてよくある質問にお答えします。
まとめ:VPNが違法な国では利用せず、合法な国から安心して使おう!


本記事では、VPNが違法なのかどうか解説してきました。
内容をまとめると下記です。
- 日本や欧米諸国など、大半の国ではVPN利用は合法
- VPNを使って国外の動画サービスを見たり、WEBサイトを閲覧することは合法
- 一方、VPN利用が違法だったり規制される国もあるので注意
- VPN利用が違法な国:ロシア、イラク、北朝鮮、ベラルーシ、オマーン、トルクメニスタン
- VPN利用に規制のある国:中国、トルコ、イラン、ウガンダ、UAE(アラブ首長国連邦)、インド、エジプト、シリア
下記の14カ国では、VPNが違法もしくは法律で規制されているので注意しましょう。
「VPNを使ってIPアドレスを変えるって違法じゃないの?」と思う人も多いサービスですが、日本やアメリカなどでは合法なので安心して利用できます。
例えば、VPNを使ってアメリカにいながら日本の動画配信サービスを楽しんだり、VPNでサブスクサービスを安く契約することも可能です。
しかし、本記事でご紹介したような「VPNが違法になる国」では、絶対にVPNを利用しないようにしましょう。
VPNは合法な国で、マナーを守って利用することが大切です。