『天才を殺す凡人』の書評・要約を知りたい
こんなお悩みにお答えします。
『天才を殺す凡人』はONECAREER執行役員の北野唯我氏による二作目の著書です。
発売開始から3週間で5万部と、堅実に売れているビジネス書です。
「人の可能性を阻害するものに、憤りを感じるから」
という理由で書かれた『天才を殺す凡人』は、その言葉の通り、誰もが持っている才能をどのように活かすのか、その方法が分かる1冊です。
物語形式で綴られている本書は、勤め先の会社で悩んでいる主人公の”青野”(凡人)に対して、忠犬ハチ公の”ケン”(全てを理解する者)がやってきて才能に関するイロハを伝授していくビジネス小説です。
実際のビジネスの現場を再現しているので、本書を現場に活かすイメージを持ちながら読めると思います。
それでは、いきましょう。
天才を殺す凡人の基本情報
天才を殺す凡人の基本情報について見ていきます。
書名:天才を殺す凡人 職場の人間関係に悩む、すべての人へ
著者:北野 唯我
出版月:2019年1月16日
出版社:日本経済新聞出版社
定価:本体1,500円+税
著者の北野氏のプロフィールはこちらです。
北野 唯我(きたの ゆいが)
兵庫県出身。神戸大学経営学部卒。就職氷河期に博報堂へ入社し、経営企画局・経理財務局で勤務。その後、ボストンコンサルティンググループを経て、2016年、ワンキャリアに参画。執行役員として事業開発を経験し、現在同社の最高戦略責任者。レントヘッドの代表取締役。ヴォーカーズの執行役員も務める。
北野氏は2018年に処女作『転職の思考法』で10万部のベストセラーを達成されています。
第二作目の『天才を殺す凡人』も注目を集めた1冊となったことはいうまでもありません。
本書の舞台設定として、
- 創業10年の会社の創業者”上納アンナ”(天才)が才能を活かせなくなる
- CFOの”神咲秀一”(秀才)が会社経営の舵取りをしていく
- 主人公”青野”(凡人)がどうにか”上納アンナ”(天才)の才能を活かそうとする
- 忠犬ハチ公の”ケン”(全てを理解する者)が現れて助言をしていく
というような流れでストーリーが展開していきます。
それでは、これから本書の要約についてご紹介していきます。
天才を殺す凡人の要約まとめ
本書を以下の3点に要約しました。
要約①:誰の中にも「天才・秀才・凡人」が存在する
要約②:凡人が天才を殺すナイフは「多数決」
要約③:天才を支える「共感の神」の存在
解説していきます。
要約①:誰の中にも「天才・秀才・凡人」が存在する
本書では、才能は「天才・秀才・凡人」の3種類に分類され、誰もがバランスは違えど3種類の才能を持っているといいます。
3種類の才能はそれぞれに特徴があります。
- 天才:創造性を重んじるタイプ
- 秀才:再現性を重んじるタイプ
- 凡人:共感性を重んじるタイプ
「天才・秀才・凡人」の関係性を表すと、以下の図のようになります。
凡人は天才を理解できないから排除し、秀才は天才に妬みと憧れの相反する感情を抱きます。
本当は、天才は凡人に自分のことを理解してほしいと願うのですが、その思いが届くことはありません。
こうして、天才と秀才&凡人のコミュニケーションの断絶が起こり、天才の才能が殺されていくことになります。
要約②:凡人が天才を殺すナイフは「多数決」
本書のタイトルである『天才を殺す凡人』が存在するロジックは多数決によって証明されます。
すでに「天才・秀才・凡人」の3種類の関係性は見てきました。
組織において、天才は凡人に理解してもらえず、秀才からは嫉妬の感情を持って接されるため、意思決定時の多数決で敗北します。
本書の物語でも例外なく、創業社長の”上納アンナ”(天才)は、取締役会で多数派に敗北してしまいます。
このように、凡人が天才を殺すナイフは「多数決」となるのです。
要約③:天才を支える「共感の神」の存在
しかし、凡人の中でも「共感の神」と呼ばれる存在は、天才を支えることになります。
「共感の神」とは、あまりに共感性が強くて誰が天才か見極められる人のことです。
本書の物語では、主人公”青野”(凡人)が「共感の神」であることに気がつき、人の才能を応援することを武器として生きていくことになります。
凡人に理解されたいという天才の願いは、「共感の神」によって成就されるのです。
「共感の神」は天才を支える役割なのです。
天才を殺す凡人の書評
続いて、天才を殺す凡人の書評をご紹介していきます。
書評①:人生は配られたカードで勝負すべきことに気づかされる
書評②:筆者が「人の可能性を阻害するものに憤りを感じている」ことがよく分かる
解説していきます。
書評①:人生は配られたカードで勝負すべきことに気づかされる
僕が本書を読んで一番心に残っていることは、「人生は配られたカードで勝負するしかない」という事実です。
誰もが「天才・秀才・凡人」の3種類を内に秘めていると書きましたが、向き不向きがあるのは確かです。
本当は秀才なのに、天才として振る舞おうととしてもうまくいかないなんてことは多数あるはずです。
持って生まれた身体と性格を、うまく使って生きていくことが重要なんだと本書は気づかせてくれます。
誰もがアインシュタインやスティーブ・ジョブズ、ウサイン・ボルトのような天才なれるわけではありません。
自分の持って生まれた才能を理解して、強みを伸ばしていく方が生産的ですし、無理がありません。
本書を読むと、人生は配られたカードで勝負すべきことに気づかされます。
書評②:筆者が「人の可能性を阻害するものに憤りを感じている」ことがよく分かる
本書が執筆された理由は、「人の可能性を阻害するものに、憤りを感じるから」という筆者の怒りがきっかけです。
各人が「天才・秀才・凡人」という3種類を知り、自分がどのタイプか理解することで、可能性を最大化することが本書の狙いだと感じました。
IT化によって仕事が効率化されても、ひとりひとりの人間が仕事をしていることに変わりはありません。
それぞれの強みを生かして、「天才・秀才・凡人」ともに才能を発揮できる環境づくりのために、本書は一役かうでしょう。
天才を殺す凡人を読むべき人
ここまで要約・書評を紹介してきました。
続いては、天才を殺す凡人を読むべき人をご紹介します。
- 職場で自分の能力を発揮できないと思っている人
- どうすればもっと評価してもらえるだろうか? と思っている人
- 職場の人間関係で悩んでいる人
上記のいずれかにあてはまる全ての人は、本書を読むと悩みが解決されると思います。
「解説」の部分では、どの分野でも普遍的に応用できる、仕事の因数分解(職種 × フェーズ)についても触れられています。
巻末には著名人による本書の感想レビューも掲載されているので、いろんな角度からの意見も参考にすることができるのも魅力です。
天才を殺す凡人を読むべき理由
最後に、天才を殺す凡人を読むべき理由をご紹介します。
理由①:なぜ、職場がギスギスするのか理解できる
理由②:才能の活かした働き方を理解できる
解説していきます。
理由①:なぜ、職場がギスギスするのか理解できる
職場の人間関係がギスギスしている原因は、自己保身だったり天才への嫉妬心であったりします。
自己保身や天才への嫉妬心がどのようにして起こるのか、どのようにして対処すればよいのかを物語形式で、リアルに描写しているので原因と対処方法を理解できます。
本書の例では、天才である”上納アンナ”(天才)に対する、サイレントキラー”上山”(秀才)の会計基準の不適切化に現れています。
本書を読むと、職場がギスギスする理由と対処方法が理解できます。
理由②:才能の活かした働き方を理解できる
本書で紹介されている「天才・秀才・凡人」という3種類の才能は誰の中にも眠っています。
自分が「天才・秀才・凡人」のどれに一番フィットするか理解することで、強みを生かしつつ他者の強みを活かすような対応もできます。
例えば、あなたが凡人である場合、共感性を高めることで「共感の神」の力を手に入れて、まわりの天才を支える存在になれるかもしれません。
このように、本書を読むと、才能の活かした働き方を理解できます。
まとめ
今回は、『天才を殺す凡人』について書評・要約をご紹介してきましたが、いかがだったでしょうか?
「人の可能性を阻害するものに、怒りを感じる」という著者の怒りが本書を生みました。
『天才を殺す凡人』を読むことで、自分やまわりの可能性を最大化することができたなら、著者の北野氏も本望ではないでしょうか。
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今回は以上です。
ではでは。